衆議院が解散!総選挙へ

2021年10月14日に衆議院が解散され、19日公示、31日投開票の日程で総選挙を行うこととなりました。そこで衆議院選挙の仕組みなどについて解説していきたいと思います。

衆議院選挙はなぜ重要なのか

衆議院選挙がなぜ重要なのかと言いますと、選挙でどの政党がいくつ議席を獲得したかによって政権を担う政党が決まるからです。政権を担う政党のことを「与党」と言いますが、現在の与党は自民党と公明党で、この2党の連立政権となっています。(政権を担っていない政党のことは野党と言います。)

今回の衆議院選挙で自民党と公明党が合わせて過半数の議席を獲得できれば引き続き与党となりますが、他に過半数を獲得した政党があったり、複数の協力関係にある政党が合わせて過半数を獲得した場合は、政権を担う政党が変わることになります。これを政権交代と言います。

このように衆議院選挙の結果によって、政権を担うのがどの政党になるのかが決まりますので、衆議院選挙は重要なのです。

衆議院選挙の仕組みについて

次に衆議院選挙の仕組みについてです。衆議院選挙は「小選挙区比例代表並立制」という選挙方法で行われます。「小選挙区」による選挙と「比例代表」による選挙の2つの選挙で衆議院の465人の議員を選ぶということです。

しかし、これだけではよくわからないという方もいらっしゃると思いますので、もう少し詳しく説明していきます。

まずは「小選挙区」についてです。これは日本全国を289の選挙区に分けて、各選挙区で一番多くの票を獲得した1人だけが当選するというものです。投票は候補者個人に対して行います。

一方、「比例代表」は候補者ではなく、「政党」に対して投票します。各政党が獲得した票に応じて各政党の当選者数が決まりますので、各政党が候補者を順番に並べて作成した比例名簿から当選者数の順番までに記載されていた候補者が当選するというものです。(小選挙区と比例代表は両方に立候補することができますので、名簿の上位の人が小選挙区で当選した場合は、その人は飛ばして次の人が当選します。)

ちなみに比例代表は全国11のブロックに分けられていて、それぞれ得票数を計算して、政党ごとの当選者数が決まります。比例代表では11のブロックを合わせて176人が選ばれます。

小選挙区は1名しか当選できないため、人気のある政党の候補者が有利になりますので、小さな政党の候補者が当選するのは難しいです。小選挙区制では2大政党制になりやすく、政権交代が起こりやすくなると言われています。

それに対して比例代表では政党の投票数に応じて議席が決まりますので、小さな政党でも議席を獲得することができます。小選挙区制も比例代表制もそれぞれ良い点悪い点がありますので、2つを組み合わせることでカバーし合うことができるのです。

衆議院選挙での野党共闘とは?

今回の衆議院選挙では「野党共闘」というフレーズがよく聞かれると思いますが、「野党共闘」とはどういうことなのか説明したいと思います。

上でも説明したように小選挙区では1名しか当選できませんので、人気のある政党の候補者が有利になります。今回の選挙でいうと政党支持率が一番高いのは自民党ですので、自民党が有利になりやすいということです。

ちなみに令和3年10月22から24日にかけてNHKが調査した政党支持率では自民党が38.6%で2位の立憲民主党の8.0%を大きく上回っています。このような状況で立憲民主党や日本維新の会、社民党、共産党などの野党がそれぞれ候補者を出しても当選する可能性は低くなります。

自民党以外の野党の支持率を合わせると21.2%になります。さらに「支持政党なし」「わからない・無回答」を合わせると39.9%もいますので、これらの人を取り込むことができれば、自民党を上回ることも可能です。

それぞれの政党がバラバラに候補者を出すのではなく、野党が協力して各選挙区から立候補する候補者を1人に絞ることができれば、野党候補者が当選する可能性が高まり、現在の与党である自民党と公明党の議席を減らすことができます。与党の議席を過半数以下に抑えることができれば、政権交代が可能になります。

野党の大きな目標は政権交代を行うことですので、その目的を達成するためには野党共闘により野党としての候補者を一本化することで効率的に選挙を戦うことができるのです。

もちろん各政党で政策や考え方の違いはありますが、まずは政権交代という大きな目標のために多少のことには目をつぶるということです。

ちなみに今回の衆議院選挙で野党共闘により候補者を一本化した選挙区は289のうち200以上にものぼり、7割以上の選挙区で事実上の与野党一騎討ちの状況になっているようです。(政党に属さず無所属として立候補する人も多くいるので、本当に2人しか立候補していない選挙区はもっと少ないです。)

まとめ

自民党の支持率が下がってきている中での衆議院選挙になっていますので、自民党は議席を減らす可能性が高いと言われています。しかしながら、立憲民主党などの野党が自民党に代わるほど期待できるかと言われると、そうは思えません。

多くの人は、この政党なら政権を任せられる!という気持ちではなく、まだこの政党のがマシかな?、という消去法に近い感じで選ぶ選挙になるのではないでしょうか。

しかし、野党共闘により野党が議席を増やすのは確実だと思いますので、今回の選挙ですぐに政権交代は難しいと思いますが、野党がどこまで議席を増やせるのかに僕は注目しています。(自民党の議席を単独過半数である233以下まで減らすことができれば、健闘したと言えるのではないでしょうか。)

選挙は有権者の意見を反映できる場ですので、選挙権のある方は是非投票に行っていただきたいと思います!

【おまけ】日本は衆議院と参議院の二院制

日本の国会はみなさんもご存知のように「衆議院」と「参議院」の2つがありますが、これを二院制と言います。二院制のメリットとしては次のようなものが挙げられます。

①法案などの審議を慎重に行える。

②様々な意見を反映できる。

1点目についてですが、基本的に法案などは衆議院で審議し可決された後にもう一度参議院で審議されます。違う目でもう一度審議を行うことができますので、万が一法案に問題などがあった場合、参議院でストップすることができます。

2点目についてですが、衆議院と参議院は任期や選挙の仕組みなどに違いがあります。衆議院の任期は4年ですが、解散があるため、実際の任期は平均して2年半くらいですので、短期的な民意が反映されます。一方、参議院は任期が6年ありますので、長期的な視点から判断することができます。

また、衆議院は選挙により全員が入れ替わりますが、参議院は3年ごとに半数の選挙を行います。半数は残りますので、衆議院と違って継続性があるとも言われています。(もちろん衆議院でも再選される人が多数いるため、全員が入れ替わるわけではありませんが、制度としては選挙でリセットされるという意味です。)

一般的に二院制には以上のようなメリットがあると言われています。ただ実態としては参議院は衆議院で議決された法案などを同じように議決しているだけなので、参議院は不要との意見もありますが、このような理由から日本では二院制となっています。

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