自民党が単独過半数を維持!衆議院選挙の議席が確定

令和3年10月31日に衆議院選挙の投開票があり、その結果が確定しましたので、議席の状況などについて解説していきたいと思います。

なお、衆議院選挙の仕組みなどについては、別の記事で解説していますので、よければご覧ください。

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各政党の獲得議席について

今回の衆議院選挙で各政党が獲得した議席は以下のとおりとなりました。なお、( )内の数字は選挙前の議席ですが、今回議席を獲得出来なかったNHK党の選挙前の議席は便宜的に無所属に含めています。

自民党 261(276)

公明党 32(29)

立憲民主党 96(110)

共産党 10(12)

日本維新の会 41(11)

れいわ新撰組 3(1)

社民党 1(1)

無所属 10(12)

計 465(465)

今回の衆議院選挙は自民党にとっては厳しい選挙になると言われていました。しかしながら、多少議席は減らしたものの、単独過半数を越える261議席を確保し、公明党を含めた与党としては293もの議席を獲得しました。

自民党が議席を減らす分、野党では立憲民主党が議席を伸ばすと見られていましたが、結果は逆に110議席から96議席に減ってしまいました。野党で議席を大きく増やしたのは日本維新の会で、選挙前の11議席から44議席と約4倍に増やしました。他の野党については選挙前と大きな変化はありませんでした。

野党共闘の結果はどうだったのか?

野党共闘により候補者を一本化した小選挙区は213ありましたが、与党に勝利したのは57の選挙区にとどまりました。

このように数字だけを見ると野党共闘にあまり効果はなかったように思えます。しかし、前回の2017年の衆議院選挙では、自民党、公明党の与党と無所属を除いた野党が小選挙区で獲得した議席は41議席しかありませんでした。

今回の衆議院選挙では野党共闘により、候補者を一本化した選挙区で57議席を獲得、それ以外の選挙区で野党が獲得した議席を合わせると合計で81議席になります。野党全体で小選挙区で獲得した議席はほぼ2倍になっていますので、野党共闘は効果があったと思います。

与党が確保した絶対安定多数とは?

今回の衆議院選挙で自民党と公明党の与党が確保したい議席のラインとして、「絶対安定多数」の261議席というのがよくニュースなどで聞かれました。これまでの選挙ではあまり聞いたことがない言葉ではないかと思います。

この「絶対安定多数」とは、国会に設けられている17の常任委員会の全委員長のポストを独占し、なおかつ全委員会で過半数の委員を確保できる議席数のことです。

国会で法案の審議を行う際、衆議院だと465人の国会議員がいますが、全員で話し合おうとすると、時間もかかりますし、深く審議できません。そこでまず委員会に付託し、委員会で法案の審査を行います。

委員会では提案者などによる法案の説明、質疑、討論が行われ、最終的に委員会内で採決し、法案を通すかどうかを判断します。委員会での採決が賛成多数であれば、その法案は国会で審議され、採決されます。

ニュースなどで重要な法案の国会での採決シーンが流れることがありますが、実は国会で審議する前に委員会で審査されているのです。(ちなみに各委員会により様々ですが、30から50人の議員で構成されています。)

この常任委員会すべてで委員長及び委員の過半数を確保できれば、与党が実現したい法案を可決しやすくなりますし、逆に野党が発案した法案は否決することができます。また、衆議院全体でも過半数を確保していますので、委員会を通った法案は国会でも可決できるのです。

このように絶対安定多数を確保することで、与党が考える政策や法案を成立させやすくなり、国会運営を円滑に行うことができるのです。

まとめ

選挙の投開票日の夜には各テレビ局が選挙特番を放送します。今回の選挙では各局とも自民党が過半数を確保できるかどうかという感じでしたが、終わってみれば自民党単独で過半数を大きく超える261議席を獲得しました。(自民党単独で絶対安定多数を確保したくらいです。)

選挙の前から自民党の支持率は下がっていましたので、その受け皿として野党第一党の立憲民主党がもっと議席を伸ばすかと思いましたが、逆に議席を減らしました。

野党共闘の効果もあり、小選挙区では前回より議席を増やしましたが、比例代表では大きく議席を減らしています。個人的には自民党を支持しない人が消去法的な選択で立憲民主党に投票するのかなと思っていましたが、そうはなりませんでした。

比例代表で投票数が少なかったということは、政党としての立憲民主党が支持されなかったということです。結局、自民党の揚げ足取りや国民の関心の高くない問題ばかりを追求し、批判しているだけで、魅力的な対案を提案することや建設的な議論を行うことが少なかったことが敗因ではないかと僕は思います。

今回の衆議院選挙で躍進した日本維新の会副代表の吉村大阪府知事が選挙後に次のような発言をしていました。

「国会でのスキャンダル追及に明け暮れたり、官僚をつるし上げたりすることに多くの国民はへきえきとしていると思う。」

今回の選挙の結果はまさにこの言葉の通りではなかったかと思います。さらに吉村副代表は次のようにも言っています。

「政策論で自民党とまともにぶつかり合う野党が日本にはない。これを国会議員団にしっかりやってもらいたい」

これこそが国民が望んでいる政治のあり方ではないかと僕は思います。今回の衆議院選挙で影響力を強めた日本維新の会により、国会などでの建設的な議論が展開されることを期待したいです。

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