岸田内閣が発足!支持率は?

令和3年10月4日の臨時国会で内閣総理大臣指名選挙が行われ、先日、自民党新総裁となった岸田文雄氏が第100代内閣総理大臣に指名されました。

また、これに合わせて各省庁の大臣などの閣僚も発表され、岸田内閣が発足しました。そこで岸田内閣の顔ぶれなどについて解説していきます。

岸田内閣の閣僚について

官房長官 松野博一 59歳 再入閣

財務大臣 鈴木俊一 68歳 再入閣

総務大臣 金子恭之 60歳 初入閣

法務大臣 古川禎久 56歳 初入閣

外務大臣 茂木敏充 65歳 再任

文部科学大臣 末松信介 65歳 初入閣

厚生労働大臣 後藤茂之 65歳 初入閣

農林水産大臣 金子原二郎 77歳 初入閣

経済産業大臣 萩生田光一 58歳 横滑り

国土交通大臣 斉藤鉄夫 69歳 再入閣

環境大臣 山口壮 67歳 初入閣

防衛大臣 岸信夫 62歳 再任

復興大臣 西銘恒三郎 67歳 初入閣

国家公安委員長 ニ之湯智 77歳 初入閣

経済安保担当大臣 小林鷹之 46歳 初入閣

デジタル大臣 牧島かれん 44歳 初入閣

ワクチン担当大臣 堀内詔子 55歳 初入閣

少子化担当大臣 野田聖子 61歳 再入閣

万博大臣 若宮権嗣 60歳 初入閣

岸田内閣のメンバーがこのように決まりました。ちなみに「再入閣」は以前に大臣をやったことがある人、「再任」は前の菅内閣が引き続き同じ大臣になった人、「横滑り」は前の菅内閣で別の大臣をやっていた人、そして、「初入閣」は初めて大臣になる人です。

20名のうち13名が初入閣つまり初めて大臣などになった人ということで、新しい顔ぶれになったのではないでしょうか。13名が初入閣とのことですが、若手が多く起用されているというわけではなく、ベテラン、中堅、若手をバランス良く配置していると言われています。

それでは新内閣がどのように評価されているのかなどについて見ていきたいと思います。

そもそも「派閥」って何?

今回の岸田内閣の評価について解説する前にニュースなどで新しい大臣の名前が出る時に○○派といった「派閥」が一緒に出てくるときがあると思いますが、そもそも派閥とは何かについて説明します。説明が不要な方は読み飛ばしてくださいね。

「派閥」の意味を調べるとウィキペディアにはこう書いてあります。

派閥(はばつ)とは、組織内において利害で結びついた人々によって形成する集団。

派閥 – Wikipedia

この説明がシンプルでわかりやすいと思います。各議員は自民党という1つの政党に属しているわけですから、政治についての基本的な理念は同じです。しかし、総裁選でも候補者ごとに政策に違いがあったように、その共有する理念を実現する手段である「政策」についての考え方には違いがあります。

民主主義の基本は多数決ですので、近い考え方を持つもの同志が協力して集まることで、自分の考える政策を実現しやすくなります。派閥は政策を実現するという「利害」で結びついている集団ということです。

議員にとっては議員を続けていなければ政策を実現していくことはできませんので、選挙に当選することは最も重要です。上で説明したように派閥を組むことで政策の実現可能性が高まりますので、実現した政策があれば選挙でのアピールポイントとなります。

そして、他にも「利害」はあります。それは選挙とポストです。

また、派閥のトップは基本的に大物議員ですので、選挙で応援演説などに駆けつけてもらえれば、自分の知名度アップにも繋がります。皆さんも選挙中に○○候補の応援に総理大臣が来ました、なんてニュースを見たことがあると思います。

もう一つのポストとしては、今回の総裁選のように自分の派閥のトップが立候補した場合、総裁になるための選挙戦に協力することで、次の内閣で重要なポストに着ける可能性が高まります。(少しでもいいポストに出世したいと思う気持ちはどの世界でも一緒だと思います。)

これは選挙に協力したという論功行賞的な意味もありますし、そもそも派閥は政策の考え方が近い議員の集まりですので、新総裁の実現したい政策をよく知っているため一緒に働くのに適しているというのが大きいと思います。

このような理由から派閥が形成されているのです。なお、現在の自民党には細田派、麻生派、竹下派、二階派、岸田派、石破派、石原派の7つの派閥がありますが、それらに属さない無派閥の議員も多くいます。

岸田内閣の支持率は?

新たな内閣ができるとテレビ局や新聞社などが内閣支持率を調査します。各社の結果は次のようなものでした。

読売新聞 支持する56% 支持しない27%

毎日新聞 支持する49% 支持しない40%

朝日新聞 支持する45% 支持しない20%

共同通信 支持する55.7% 支持しない23.7%

各社ともに内閣支持率としては50%ほどでありますが、この50%という数字はここ20年では低い方のようで、2008年に発足した麻生内閣と最下位を争うほどです。ちなみに菅前総理の内閣発足時の支持率は概ね65%ほどでした。

岸田内閣を評価する理由としては、初入閣が13名と多く「老壮青」のバランスが取れている、総理の人柄に好感が持てる、政策に期待できるなどが挙がっています。

一方、支持しない理由としては、政治が変わりそうにない、安倍氏麻生氏の影響力が強い、などが挙がっています。

安倍氏麻生氏の影響力が強いと言われるのはなぜか?

上の内閣支持率の説明でもありましたが、岸田内閣は安倍氏麻生氏の影響力が強く反映されているとニュースなどで言われています。もちろん良い意味ではなく、安倍氏麻生氏の傀儡政権つまり操り人形になってしまうのではないかという不安があるためです。

その理由としては自民党のナンバー2である「幹事長」と総理の女房役である「内閣官房長官」が岸田派から選ばれず、安倍氏麻生氏に近い人物が選ばれたからです。

幹事長の甘利明氏は安倍氏麻生氏に近い人物と言われており、3人のイニシャルから「3A」とも呼ばれるほどです。幹事長は自民党のナンバー2であり、党内のお金の管理や選挙で誰を公認するかなどを決めることができますので、大きな権限を持っています。(皆さんも前幹事長である二階氏が政治を動かしてるというようなニュースがよく流れていたのを見たことがあるのではないでしょうか。)

次に内閣官房長官に選ばれた松野博一氏は安倍氏が所属する細田派の人物です。政策を実現していくためには複数の省庁が連携する必要がありますが、その調整役が官房長官です。また、皆さんもニュースなどで見たことがあると思いますが、内閣で決まったことなどについて毎日記者会見を行うのも官房長官の仕事です。

内閣の顔である官房長官は総理大臣と連携を密にする必要があり、総理大臣と親しい人物が選ばれることが多いのですが、このポストも岸田派の人物ではありませんでした。

このように自民党及び内閣の重要な2つのポストについて、安倍氏麻生氏に近い人物が選ばれていることから、2人の影響力が強い内閣であると言われているのです。(なお、麻生氏自身も副総理兼財務大臣ではなくなりましたが、自民党副総裁に就任しています。)

まとめ

岸田内閣が発足し、自民党新役員も決まりましたが、内閣支持率は低い数字でした。

もし僕自身が内閣を支持するかどうか聞かれたとしたらどう答えるかと考えましたが、「わからない」としか答えられないなと思いました。なぜなら内閣を支持するかどうかはその内閣がどのような実績を上げたかを見ないことには評価のしようがないと思うからです。

政治の専門家の方なら今回の内閣の顔ぶれを見れば、過去の実績などから期待できるかどうか判断できるのかもしれませんが、正直、名前を聞くのも初めてな方が多く、まったくイメージも湧きません。(同じように感じている方も多いのではないでしょうか。)

そんな中で批判的な報道ばかりを目にしてると、新しい内閣にはあんまり期待できないのかなとなんとなく思ってしまいがちです。

例えば13名が初入閣だったという点についても、フレッシュな顔ぶれと言えば聞こえは良いですが、裏を返せば経験不足とも言えます。麻生氏が副総裁に就任したこともついても、まだ要職に居座って影響力を発揮しているとも言えますが、副総理兼財務大臣から実権のない名誉職に追いやったとも言えます。

麻生氏の人事を批判している人のうち副総裁にどんな権限があってどんな仕事をしているのか答えられる人がどのくらいいるのでしょうか?それをわかった上で批判しているのであればいいのですが、ニュースなどでそう言っているから何となく悪いことなんだろう判断してしまうのは危険なことだと思います。

ニュースを見てなんとなく納得するのではなく、自分の頭でちゃんと考えることが大事だと思います。なので岸田内閣がこれからどのようなことを行っていくのかを見てから、支持できるかできないかを判断していきたいと思いますので、今後打ち出す政策などに注目していきたいです。

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