マイナンバーカードに様々なトラブルが発生していると最近ニュースでよく耳にします。そこでどのようなトラブルが発生しているのか?その原因はなにか?などについてわかりやすく解説していきます。
マイナンバーカードとは
みなさんご存知だとは思いますが、まずはマイナンバーカードとはどんなものか説明します。地方公共団体情報システム機構のホームページには次のように書かれていました。
マイナンバーカードとは、マイナンバーが記載された顔写真付のカードのことです。
地方公共団体情報システム機構 マイナンバーカード総合サイトより
マイナンバーカードは、プラスチック製のICチップ付きカードで券面に氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーと本人の顔写真等が表示されます。
本人確認のための身分証明書として利用できるほか、自治体サービス、e-Tax等の電子証明書を利用した電子申請等、様々なサービスにもご利用いただけます。
また、マイナンバーカードを所管しているデジタル庁のホームページではカードでできることして、次のような説明がありました。
デジタル庁ホームページより抜粋
- 本人確認書類になる
- コンビニで各種証明書が取得できる
- 健康保険証としても使える
- 公金受取口座を登録することで給付金の受取がスムーズに
- マイナポイントももらえる
- 新型コロナワクチン接種証明書の電子交付にも利用
- オンラインで行政手続き
- 「マイナポータル」で暮らしがもっと便利に
- スマホ用電子証明書搭載サービス
細かな説明は省略しますが、このように様々なことに利用できるカードです。特にカードを作るとマイナポイントが最大で2万ポイントもらえるということもあり、多くの人が持っているのではないでしょうか。
発生したトラブルとは?
判明したトラブルの主なものとしては、次のようなものがあります。
①マイナ保険証に別人の情報が紐付けられる。
②公金受取口座に別人の口座が登録される。
③コンビニの証明書交付サービスで別人のものが発行される。
④マイナポイントが別人に付与される。
と、このようなトラブルが発生しています。
トラブルの原因は?
順番に説明していきたいと思います。
①マイナ保険証に別人の情報が紐付けられる。
マイナンバーカードと健康保険証を紐付ける作業は、健康保険証を管理している「健康保険組合」や「協会けんぽ」が行っています。これらの団体が紐付け作業を行う際に同姓同名の別人などを誤って紐付けてしまったことが原因のようです。
②公金受取口座に別人の口座が登録される。
公金受取口座は未成年の子供であっても本人の口座を登録しなければなりません。しかし、親の口座を誤って登録してしまっているケースが多くあるようです。また、スマートフォンで公金受取口座の登録などができない人のために自治体に設置しているマイナポイント支援端末の誤操作によっても別人が紐付けられてしまいました。
③コンビニの証明書交付サービスで別人のものが発行される。
これについてはサービスを運営している会社のシステムトラブルとのことで、現在、河野デジタル大臣がサービスの一時停止を要請し、自治体ごとに総点検を行うそうです。
④マイナポイントが別人に付与される。
これについても②と同じようにスマートフォンでマイナポイントの申請が出来ない人のために設置しているマイナポイント支援端末の誤操作が原因のようです。
なぜトラブルが発生したのか?
なぜこのように様々なトラブルが発生したかというと基本的には「人為的ミス」が原因だと国は言っています。
トラブルそのものみ見るとマイナ保険証に別人を紐付けてしまう、マイナポイント支援端末の誤操作など確かに作業や操作を行った人のミスには違いありません。
しかし、このような人為的ミスが起きないように国がしっかりと制度設計できていなかったという点が問題だと思います。
マイナンバーカードの発行自体は2016年に始まりましたが、マイナポイントの効果により急速に普及しだしたのはここ1年くらいです。急速な申請の増加に対応できるようにシステム面などの整備が整っていなかったのでしょう。
マイナ保険証の紐付け作業でも国が作業手順を定めていましたが、結局は人が手作業で入力して、複数でチェックするというアナログな方法ですので、ミスが発生するのは当たり前です。
このようなミスが発生しないように自動的に紐付けられるようなシステムの構築や公金受取口座に本人名義の口座以外を登録できなくするなどの対策ができていないまま、マイナンバーカードの普及を急いだことが根本の原因としてあります。
ただ国としてもある程度のトラブルが発生するのは仕方がないと割り切っていたのではないでしょうか。多少のトラブルよりも普及を優先させた結果だと僕は思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。最近よく耳にするマイナンバーカードのトラブルについて解説しました。少しでも皆さんの役に立てれば幸いですわ、
上にも書きましたが、ある程度のトラブルが発生するのはわかっていて、マイナンバーカードの普及を優先させたのだと思います。(基本的に官僚や国会議員は頭が良いと思っているので、これらのトラブルが想定外ということはないはずです。)
しかし、これらのトラブルで個人情報が流出してしまうなど被害にあった方がたくさんいるわけですので、再発防止などの対策はしっかり行ってもらいたいと思います。
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